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アメリカでホリデーシーズンを満喫する!

 10月末からのアメリカは、ハロウィーンを始めとして本格的なホリデーシーズンの幕開けとなります。日本でも12月からはクリスマス〜お正月と、街が華やかにホリデーシーズンの装いに変わりますが、アメリカではホリデーシーズン=クリスマスシーズンという公式はあてはまりません。キリスト教徒以外にもこの時期お祝いごとがある宗教は他に存在するため、ユダヤ教のハヌカ、アフリカンーアメリカンのクワンザ、またイスラムではラマダン(断食)などもあり、全ての宗教が含まれてのホリデーシーズン。 アメリカは日本に比べると祝日の数どころか連休の数もとても少ないのですが、1年でも唯一この時期だけは連休も重なり、もう宗教に関係なくアメリカ国民全体が一体となってお祭り気分になるのです。今月の特集では、クリスマスだけではない、ホリデーシーズンのアメリカの伝統的なイベントとその慣習をご紹介いたします。




感謝祭(Thanksgiving Day)11月28日(木)−毎年第4週木曜日
ホリデーイベントの中で唯一アメリカが起源となる収穫祭

 アメリカのホリデーシーズンの皮切りとなるのが感謝祭(Thanksgiving Day)。秋の収穫を感謝し、家族のきずなを確認する日です。学校や仕事は木曜から日曜までの4連休となるところがほとんどで、故郷を離れ都会で暮らす人々も実家に帰って家族とともに食卓を囲みます。

感謝祭の歴史と伝統:
 もう一つの名前で「収穫祭」という名前をもつサンクス・ギビングデーの歴史は、移民の国・アメリカの起源、ピルグリム・ファーザーズ(The Pilgrim Fathers、メイフラワー号でアメリカにやってきたピューリタンの一団)が、入植を助けてくれた先住民に感謝し、ともに収穫を祝ったことから始まりました。




 今でも11月に入ると各家庭は特別ディナーの用意を始め、リビングは収穫を象徴するとうもろこしや大麦のかご、水鳥の置物などで飾られます。感謝祭の伝統はというと…・「朝から晩まで食べつづけること!」です。感謝祭特別ディナーのメインは何といっても七面鳥(ターキー)の丸焼きで、七面鳥のおなかにはバターやリンゴ・パン・米などを詰めるのが一般的ですが、家庭それぞれに代々伝わるレシピがあるようです。4・5時間かけてじっくりと焼かれたあと、切り分けるのは家長の役目となります。また「病を防ぐ」として先住民が教えたとされるクランベリーソースも感謝祭に欠かせない料理の一つで、感謝祭に食べきれなかったターキーは、その後もシチューにしたりサンドウィッチにしたりなど、11月の後半はどの食卓もターキー三昧となるのです…。


ハヌカ(Hanukkah)今年は11月29日(木)
クリスマスを祝わないユダヤ人の記念祭

 キリストの生誕を祝うクリスマスのわずか1週間後にお正月で初詣…と日本でのホリデーシーズンはイベントをお祭りとして楽しむ形式が通例ですが、アメリカのイベントは宗教色が強いため、宗教が異なれば当然クリスマスを祝わない人々も数多くいます。その代表として、ユダヤ暦で毎年12月末、太陽暦で11月から12月ごろに、ユダヤ教ではハヌカの祭りを祝います。



ハヌカの歴史と伝統:
 日本であまり馴染みのないこのハヌカの祭りは歴史上の出来事に由来しています。紀元前にエルサレムの神殿をシリアから奪回したユダヤ教徒の勝利と神殿への再奉納を記念するお祝いです。2000年以上前、古代パレスチナ南部に住んでいたユダヤ教徒はシリアのアンティオコス王治下でユダヤ教信仰を禁じられ、ギリシャ神ゼウスの崇拝を強制されます。しかし偶像崇拝はユダヤ教では禁忌。反発した人々は紀元前167年、マカバイ軍(The Maccabee)を組織してシリアへの反乱に立ち上がりました。3年に及ぶ戦いの末シリア軍からエルサレムの聖堂を奪い返したユダヤ教徒は、聖堂を清めて大燭台メノラー(Menorah)に火をともし、再奉納しました。このとき、1日分の油しか用意されなかったにも関わらず炎が8日間燃え続けるという奇跡が起こります。メノラーの炎は神がそこにいることを示すため、信者たちは神の存在を確信し、あらためて勝利を喜び合いました。

 現在の儀式では油の替わりにろうそくが使われます。ハヌカの間、ユダヤ教の家庭では毎晩全員が集まってメノラーに火をともし神に祈ります。祈りのあとは伝統料理や歌・ゲームを楽しむパーティーが用意され、子供たちは8日間毎晩小さな贈り物をもらいます。ハヌカの特別ディナーはオリーブ・オイルをたっぷり使うのが特徴です。主役は伝統料理のポテト・ラートケ(Potato latkes)。すりつぶしたジャガイモをホットケーキ状にしオイルで揚げたものです。はちみつシロップをかけるナッツ・ケーキやドーナツも古くから伝わる料理の1つ。世界各国に散らばるユダヤ教徒だけに、さまざまな国の味を取り入れているのが特徴です。


クリスマス(Christmas)12月25日(水)
世界最大のお祭り!

 世界中で18億人が祝うとされるクリスマスは、アメリカでも最大のホリデーイベントです。感謝祭が終わると秋の装いから一気にクリスマスムードに変わり、町中でもきらびやかなイルミネーションがライトアップされ、各家庭では家族総出で家の周りにライトを散りばめ、クリスマスツリーを飾ります。クリスマス・イブをカップルや友人同士で祝うことが通例の日本とは違い、アメリカでは25日当日を一家だんらんの日として祝います。各家庭でターキーやハムなどの特別料理を用意し、家族全員で食べます。キリスト教徒に限らず誰もが楽しめる行事ですが、それも「幸せを分かち合う」というキリスト教本来の考えに沿っていると言えるのかもしれません。



クリスマスの歴史とアメリカでの伝統:
 「イエス・キリストの生誕祭」というのが一般的な言い伝えですが、北半球の冬至にあたる12月22-25日前後を祝うイベントは、紀元前2千年から各地で行われていたようです。イブの夜、キリスト教徒は教会の礼拝に参加してクリスマス・キャロルとよばれる祝歌を歌います。キリストが真夜中に生まれたことから、イブの夜の11時ころから始まるミサでは、ろうそくが灯る中で讃美歌を歌い、牧師がキリスト誕生について話し、聖体拝領などを行います。25日はクリスマス(降誕祭)の本番で、教会では再びミサを行います。

 アメリカではクリスマスは静かに迎えられます。たいていの公共機関・政府機関・企業は24日の午後または夜から休業となり、クリスマス当日はほとんどの小売店・レストランが休業。街中も静まり返り、人や車の通りもほとんどありません。家庭では、包装したギフトにあげる相手の名前を書き、24日中にツリーの下に置くことになっています。ツリーも本物のノーブル・ファーやダグラス・ファーをわざわざ1本買って使うことも多く、11月の下旬からは郊外のあちらこちらでツリーの販売所を見かけることになります。通常ツリーは1月6日の公現節に片付けます。


クリスマスの楽しみ方番外編
〜クリスマスを祝わないあなたでも楽しめる、住宅街のイルミネーション〜

 12月に入ると、どの住宅街でも「うちが一番!」とクリスマス・イルミネ−ションを競っています。自宅を飾ることだけにとどまらず、他の住宅街に出かけて、クリスマス・イルミネーションを楽しむのも、クリスマスにしか出来ない楽しみのひとつです。

 いくつかある有名な住宅街の中でも、特にシアトル周辺で有名なのが、サンセット・ヒル (Sunset Hill)やオリンピック・マナー (Olympic Manor)やブルー・リッジ (Blue Ridge)などの高級住宅街で、カラフルなライトや電気仕掛けの人形、人口雪を吹き出す機械などが飾られ、まるで小さな遊園地のようです。前庭に電球が入った人形を置いてキリスト誕生のシーンを描いたもの、煙突の上にサンタクロースの人形を取り付け、いかにも今からサンタがプレゼントを持ってくるというような演出をしたものなど、素朴なものから宗教的なものまで、いろいろと楽しめます。毎年各地から見物客が集まってくるので、交通整理の警官が出動することもあるのだとか…。








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