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ワシントン州とワインの関係

 8月の中頃から10月にかけて、世界各地のワイナリーではぶどうの収穫が行われ、1年で最も忙しい時期です。米国産のワインというと、ナパ・バレーを中心とするカリフォルニア産のワインが世界各地で有名ですが、実はアメリカでぶどうを栽培している10州程度のうち、ワシントン州もカリフォルニアに次ぐ全米第2位の生産量を誇るワインの産地として名高いことをご存知でしょうか?数字にあげてみても、2001年の生産量は97,500トン、2000年度の総売上は6億7500万ドル、ワシントン州内にあるワイナリーの数は、160ヵ所にも上り、現在でもまだ続々と新しいワイナリーが 誕生しているといいます。現在では米国内50州を始め、40ヶ国以上で販売されているワシントン・ワインは、シアトル各地のレストランでも、必ずワインリストに紹介されるほどになりました。



ワシントン東部地方のワイナリーの眺め。同じワシントン州とは信じがたいほどの気候の差に驚かされます。

 ワシントン州はアメリカでも雨の多い州として知られていますので、ワインの産地としては意外な印象を受ける方も多いのではないでしょうか。でも実は、ワシントン州産ワイン栽培地の98%が州東部に広がっており、このカスケード山脈を越えた東部特有の気候は、シアトルの位置するワシントン州西部と違い、夏は少雨高温、日照時間も長くて乾燥しているため、ブドウ栽培に適しているのです。ぶどうは北緯30〜50度、南緯20〜40度の範囲で栽培が可能とされていますが、この一帯は別名『ワイン・ベルト』とも呼ばれ、ワシントン州はほぼフランスと同緯度に位置することが、良質のワインが生まれる理由づけによく取り上げられています。

 また、ワシントン州はカナダとの国境にあり、寒冷地という印象が強いので、冷涼な土地ならブルゴーニュ品種かドイツのリースリングなどが植えられているだろうと、ワインをご存知の方なら想像できるかもしれません。確かに、リースリング、ゲヴュルツトラミナーはワシントン州では古くから栽培されてきました。しかし、ここ10年ほどの動きを見ると、白品種ならシャルドネ、赤品種はメルロー、カベルネ・ソーヴィニヨンがワシントン州の顔になっているといいます。



オークの樽が何百も積み上げられたバレル・ルーム。ワインはこのバレルの中で何年も熟成された後に市販されます。

 ワシントン州では赤ワインより白ワインの方が若干生産量が多めで、白ワインのぶどう品種も赤ワインのものよりバラエティに富んでいます。白ワインの中で最も人気があり、世界各地で栽培が盛んなChardonnay(シャルドネ)は、ワシントン州の白ワインでもシェアNO.1で、年々品質が上がっており、ワイン関係雑誌においても度々取り上げられるほどにまで上昇してきています。その他ワシントン州で栽培されている主なワインとしては、Sauvignon Blanc(ソーヴィニヨン・ブラン)やドイツの白ワインの主要品種で、花のような香りと柔らかな酸味で名高いRiesling(リースリング)やワシントン州で18世紀から続くワイン栽培の歴史に長いGewurztraminer(ゲヴュルツトラミナー)らがあります。シャルドネ以外のぶどう品種のものは、スーパー等で安価で購入可能なので、手軽に味わえるのも魅力の1つです。


 ワシントンの赤ワインとして有名なのが、世界的にワインの代表格として認められているCabernet Sauvignon (カベルネ・ソーヴィニヨン)です。ワシントン州の赤ワインでもこの品種が一番多く、タンニンを多く含み、重厚な味わいであるため、ステーキなどの牛肉を使った料理によく合うワインです。他にも、ワシントン州は良質のMerlot (メルロー)がつくられることで有名ですし、州内で現在注目を浴びている品種としてShirah (シラー)も見かけるようになりました。

 ワシントン州のワイナリーの大半は、一般客にも公開されていますので、ワインがお好きな方であれば、シアトル近郊にあるワイナリー見学をお薦めします。ワイナリー限定種のワインが手に入るだけでなく、ワインテイスティングも楽しめ、ツアーに参加すれば、そのワイナリーの歴史やワインの製造過程なども学べ、非常に興味深い経験となることでしょう。

 シアトルから気軽に足を運ぶことができるワイナリーの中でも、一番のお勧めはシアトルから車で北東へ30分ほどのところにあるウッデンビルのシャトー・サン・ミッシェルです。建物の周囲は噴水や池、大きな芝生が広がり、絶好のピクニック・ポイントで、ゲートをくぐったところに広がるブドウの木や、緑の中のヨーロッパ調のエレガントな建物のたたずまいは、シャトーという名前にぴったりの佇まいを見せています。

 シャトー・サン・ミッシェルは30分ごとに無料ツアーを設けており、ガイドと一緒にワイナリー内を廻りながら、ブドウが収穫されてからボトル入りのワインになるまでの過程を学ぶことができます。特にフランス製の高価な樽が何百も積み上げられたバレル・ルームは圧巻に値します。約45分のツアーを終えると最後はいよいよワイン・テイスティングで、4種類のワインをソムリエが紹介してくれます。ガイドがテイスティングの方法も教えてくれ、ツアー参加者はそれぞれのワインの説明を聞きながらワインの味比べをすることができます。



ガイドツアーの最後にはテイスティング。ソムリエが親切に商品を紹介してくれま す。

 また、ツアーが終わる場所はギフトショップになっており、ここではワインのほか、ワインに関連するグッズもたくさん取り扱っています。チーズやクラッカーなどのおつまみもありますので、買ったばかりのワインをその場で試す人もいるのだそうです。

 美しい海と山に囲まれた豊かな自然を持つワシントン州は、このような別な顔を持って、常に私達を魅了してくれます。せっかくワシントン州にいらしたのであれば、自分でテイスティングして選んだ特別ワインをお持ち帰り−などという洒落たお土産も考えられてみてはいかがでしょうか?



CHATEAU STE. MICHELLE(シャトー・サン・ミッシェル)
住所 14111 NE 145th Street, Woodinville
電話番号 TEL:425-415-3300
ウェブサイト http://www.ste-michelle.com/
営業時間 毎日10:00am〜4:30pm。ショップは5:00pmまで
(イースター・感謝祭・クリスマス・元旦を除く)
●毎30分ごとに無料ツアーが開催されている(所要時間約45分)。
●団体、プライベート・ツアー以外は予約の必要はなし。



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